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3月10日コンサート 【FILM SCORE PHILHARMONIC ORCHESTRA】 第四回定期演奏会 フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー

2019年4月9日

【FILM SCORE PHILHARMONIC ORCHESTRA】 第四回定期演奏会 フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー

5回目を迎えるフィルムスコアフィルハーモニックオーケストラによる、映画音楽コンサートが中野ZEROホールで催され、今回もご用命を頂き撮影にお邪魔させて頂きました。

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン1

中野ZEROホール、マイク位置とPA出力バランスに細部までこだわりが

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン2

照明も今回は各作品理解の一助になっていました

この度、楽団が挑むのは生演奏した時に、最も再現性が難しいとされるオーケストラとシンセサイザーを巧みに組み合わせた楽曲で映画ファンをうならせるだけでなく、映画音楽の未来と可能性を聴く人にハッキリと提示するハリウッド映画音楽の鬼才ハンス・ジマーです。

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン3

パーカッションの種類や数の多さ、鳴る音の多様性を感じられる楽曲が多い

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン4

今回も満員御礼

前回までのオーケストラ生音を最大限活かせる楽曲とは大きく性質が違い、譜面通り演奏するだけではサントラオリジナル音源のエッセンスを表現出来ない非常に手強いパズルのような音の組み合わせの作品達。

今回は譜面通り演奏することも勿論重要ですが、限られた奏者とスコアを正確に読み取る読解力、ハンスジマーの持ち味である多重録音を生演奏でいかに再現出来るか奏者ひとりひとりの創意工夫に注目の集まるコンサートでもあったのです。

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン5

映像に音を付ける、困難でありつつ楽しい作業を語る楽団代表の戸田さん

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン6

指揮は 今回も奥村伸樹さんでスコアや奏者の理解に人一倍ご尽力されています

映画で聴こえる音を「理想に最も近いカタチで出力」する。

その困難なチャレンジはコンサート本番で観客の想像を超える結実を見ました。

映画の中に、ある楽曲を逆再生する音が入っていれば一から作り、尺八やギターが印象的なメロディを奏でる楽曲があれば相応しい奏者を見つけ出したり…。

聴いてみて如実に感じたのはシンセサイザーでかなりの音がカバーされていること、それによってサントラの音を正確に再現することのみならずフィルムスコアフィルハーモニックの独自性を見つけ、「自分たちの、自分たちにしか出せない音を出そう!」という決意の音になっていたことです。

当日は一瞬で過ぎ去ってしまうそれぞれの楽曲の中に、想像を絶するような再現に懸けた努力があったのです。

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン7

今回生音以外のかなりの量の音を再現したシンセサイザー

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン8

要所で強烈な印象を残した尺八奏者は加藤秀和さん

回を追う毎に、フィルムスコアフィルハーモニックの演奏会の特異性や希少性が際立ってきています。

今回も、もしかしたら演奏再現不可の楽曲があり、そして著作権の関係で次に日本で聴けるのは何年後、はたまたもう2度と聴けないかもしれない大切な作品に楽団の皆さんは心血を注いできました。

一期一会という言葉では表せないほど貴重な空間に我々は立ち会う事が出来たのだ、という喜びを終演後に改めて実感しました。

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン9

効果音的、リズム的に流れる音にも最新の注意を払いチェックします

「フィルム・コンポーザーズ・シリーズ2 : ハンス・ジマー」コンサートシーン10

可能性を次々と具現化してしまうこの楽団に不可能はあるのでしょうか

お客様を楽しませる!この一点の目標を軽々を超えるクオリティで聴く者全てを圧倒させ感動させるこのオーケストラの行く末がファンとして本当に楽しみです。

次回はSF映画特集。またきっと今の時代に映画やオーケストラを気軽に楽しめるような創意工夫に満ちたコンサートを作り上げてくれるに違いありません。

Photo by T.Takaishi